本日 ご紹介するのは、夏目漱石著『夢十夜』の感想文です。
『夢十夜』は明治時代に東京朝日新聞で連載されていた短編集で、
文字通り、10つの夢にまつわる幻想的な物語が織り込まれています。
今回は、『夢十夜』の中から冒頭の第一夜を読んでいただき、物語を読んだ所感を
作文にしたためていただきました。
同じ物語を読んでいるようでも、それぞれ、感じることが違っていておもしろいですね。
空想をふくらませ内容を解釈してみたり、表現をじっくり観察してみたり。
各々の読み解き方で、夏目漱石を味わう。
みなさまも日本近代文学にふれるきっかけとして、夏目漱石を読んでみてはいかがでしょうか。
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「夢十夜ー第一夜」を読んで
小6 Y・Nさん
私は、夏目漱石の「夢十夜」の第一夜を最初に読んだ時、おかしな話だと思った。
「透き通るほど深く見えるこの黒眼の色沢」「唐紅の天道」といった上品で美しい表現も
あるが、話自体はどこか曖昧なように感じた。
しかし、もう一度じっくりと読んでみると、話が曖昧であるのは変わりないが、
よりはっきりとストーリーの伏線が感じられた。
これはあくまでも私の解釈だが、「自分」と「女」は、前世でお互いが大切な存在だった。
現世では女は限られた年数しか生きられず、「自分」に遺言を残して死んでしまった。
それから「自分」が女の遺言通り、日が上り日が沈むのを数えられない程くり返した時、
女は百合の花に生まれ変わり、「自分」との再会を果たした。
「自分」が女を埋めた時に置いた星のかけらが、百合の花が開いた時に瞬いていた星だと
うかがえる。
とても儚く、読者それぞれが深く考えられる話だった。
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第一夜 感想
中2 N・Iくん
僕は、夏目漱石の夢十夜を読んで、自分の想像もしないような物語だと思いました。
「大きな真珠貝で墓を作る」や、「女性との再会のために百年も苔の上で待つ」など、
現実ではありえないような話がありました。
漱石は、夢でそのような発想ができるほど想像力豊かだから、美しい言葉で物語を書けるのだと思いました。
僕は、夢を見ても熟睡しているので、夢を思い出せません。
だから、この物語のように夢で見た話を物語にできるのはうらやましいと感じました。
なぜなら、自分の見た夢を文字に書き起こして伝えられるのがすごいと思ったからです。
自分だったら、夢を本にする力がないので、夢ではなく推理小説を書こうと思います。
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